- 政策金利ってなに?
- 金融政策ってなに?
- 中央銀行ってなにしてるの?
- 政策金利が為替にどう影響するの?
というFX初心者さんは多いと思います。
しかし、ないがしろにはできません!政策金利発表は注目度の高い経済指標のひとつで、発表直後には市場が変動することで知られ、多くの投資家が重要視しています。
そこで、金融政策や政策金利とはそもそもなにか、また、これらを決定している中央銀行の役割について解説していきます。

経済指標の中でも重要な指標として知られているのが金融政策の中の政策金利です!
金融政策・政策金利とは


- 各国の中央銀行が金融機関に供給するお金の量を調整すること
- 目標は経済を持続的に拡大させること(物価・通貨価値の安定を行う)
- 金融の引き締め、金融緩和を行う
金融政策のうちの1つ。
中央銀行が一般銀行に貸し付けるときの金利のこと。(物価や通貨の安定を目的として行う)
政策金利の発表は各国の中央銀行のスケジュールに沿って発表されるのが一般的です。ただ、緊急性の高いことが起こった時には緊急会合を開き金融政策を変更することもあります。



たとえば、コロナの感染拡大を受けて、日銀やFRBが緊急会合を開いたことは市場に大きなインパクトを与えた出来事のひとつです。
〜金融政策でよく使われる用語〜
- インフレ・・物価が上がる。企業の売り上げが上がる。給料増える。
- デフレ・・物価が下がる。企業の売り上げ上がらない。給料上がらない。
- 金融引き締め・・市場にお金がなくなる→お金の価値が上がる
- 金融緩和・・お金が市場に流れる→お金の価値が下がる
物価の上がり下がりの判断はインフレ率を使用します。
インフレ率が過度に上昇すれば政策金利を引き上げてインフレを抑えます。
逆にデフレ気味になっているときは金融緩和で政策金利を引き下げ、過剰流動性の環境を作るという流れです。
経済上昇 → 物価上昇 → インフレ進行 → 金融引き締めのために政策金利引き上げ → 経済下降 → 物価下降 → デフレ進行 → 金融緩和のために政策金利引き下げ (最初に戻るを繰り返す)
政策金利と為替の関係について


為替では2カ国間の政策金利に差があるときは金利の低い通貨は売られ、金利の高い通貨は買われやすくなります。
- 利上げ → 通貨が高くなる(買われる)
- 利下げ → 通貨が安くなる(売られる)
要人発言などにより将来の利上げ・利下げ期待が強まるときは為替が動くことがあります。
また、事前予想と異なる結果となったときはマーケットは大きく動くということを覚えておきましょう。
各国の中央銀行と政策金利について


【アメリカ】連邦準備制度理事会(FRB):世界の中央銀行のトップ!
- アメリカの中央銀行。連邦準備制度理事会、連邦準備銀行ともいわれる。
- 構成人数:ジェローム・パウエル議長、副議長1名と理事を含む全7名
- 注目イベント:FOMC(連邦公開市場委員会)→6週間ごとの火曜日に開催
- 政策金利:FF(フェデラルファンドレート)金利
- FRB(連邦準備制度理事会):最高機関として統括・管理をしている
- FOMC(連邦公開市場委員会)
- 全米12地区の連邦準備銀行
他国の中央銀行のトップは「総裁」といいますが、FRBの場合は「議長」がトップです。
議長が選ばれる際は大統領指名と上院の承認により7名の中から選ばれます。任期は4年ですが、再任も可能です。



発言の注目度はFRB議長がトップ!その次がNY連銀総裁です。
FOMCは最大の注目イベント!!
- 連邦公開市場委員会のこと
- 構成人数12名:FRBの7名、NY連銀総裁、地区連銀総裁4名
- 会合回数:約6週間ごとに年8回(2日間)



FOMCは為替相場にとって、とっても注目される指標です!
FOMCがもっとも注目される理由として、6週間ごとの火曜日、年8回しか開かれないことにあります。
先進国の多くは金融政策決定会合を月1ペースの年12回開催しているのに対して年8回しか開催されないFOMCは注目せざるおえません。
FOMCの一般的な流れとしては、2日目に政策金利が発表され、議長の会見、声明文の発表が行われ、会合の3週間後に議事要旨(議論の内容が記載)が公表されます。



政策決定が満場一致だったのか、意見が割れたのかによって市場への影響も変化するので注目しましょう。
また、この定例のFOMCとは別に緊急のFOMCが開かれる時があります。緊急開催の理由は主に以下の3つ。
- 金融不安
- 世界同時株安
- 地政学的リスク
これらの影響で金融市場が混乱に陥いった時には「どのような決定がされるのか」という予想をもとに噂や思惑が事前に飛び交い相場が荒れます。



インパクト大のときは相場が大きく反転することもあるんですよ!
基軸通貨であるドルの金融政策が決まるわけなので、否応にも相場に大きな影響を与えます。素人は静観するのも一つの手です。
議論のベースになるベージュッブック
FOMCの2週間前の水曜日にアメリカの12地区連銀により公表されるのが「経済概況報告」です。FOMCではこの概況報告を元に議論されます。
項目は雇用、生産、販売、出荷、在庫、貿易、物価に分かれていて、景気の指標として注目されます。



この表紙の色がベージュだから「ベージュブック」というそうですよ。
ただ、このベージュッブックの内容が相場にダイレクトに影響することは少ないです。しかし、今後のアメリカの動向を見る上では見ておくべきと市場関係者の評価は高いものになっています。
【ヨーロッパ】欧州中央銀行(ECB):ユーロ圏を束ねる
- ヨーロッパ(欧州)中央銀行のこと。ユーロ導入の23カ国の金融政策の中心。各国の中銀を統括する役目。
- 構成:クリステォーヌ・ラガルド総裁、副総裁、4名のECB役員会、欧州通貨同盟参加国の中銀総裁
- 注目イベント:金融政策委員会→原則、毎月第一木曜日に開催。稀に第二木曜日
- 政策金利:主要リファイナンス・オペ最終入札金利
日本時間の20時45分、冬時間では21時45分に政策金利の結果が発表され、それから約1時間後に総裁の会見が行われます。
ユーロ圏で最も経済力が強いのはドイツ、フランスです。また、ECBは他の地域の中銀以上にインフレへの言及が強いのも特徴のひとつです。金利決定よりも総裁の会見でいわれることがあります。
【イギリス】イングランド中央銀行(BOE)
- イングランド中央銀行のこと。金融先進国の中で最古の中央銀行。
- 構成人数:マーク・カーニー総裁、副総裁、7名の理事
- 注目イベント:金融政策決定会合(MPC)→年8回、原則毎月第一月曜日の後の水・木曜日に開催されることが多い。
- 政策金利:市場貸出金利
BOEで注目されるのは金融政策決定会合で、イギリスの場合はMPCといいます。よくECBの会合と同日になることが多いです。
BOEはMPCの2週間後に議事録を発表します。会合当日よりもこの議事録の方が今後の行方を占われるという点で注目度が高いともいわれています。
【とある議事録、政策金利の決定について・・】
政策金利「据え置き」となったとしても役員の9名が意思表示によりマーケットに発するメッセージも異なります。
9対0と満場一致で据え置き決定 → 引き続き現状の金利がしばらく続く〜
しかーし!金利据え置きが多数派いたとしても相当数が「利上げ」を主張or「利下げ」を主張するという場合もあります。こうなるとこんな噂が流れます。
「次の会合で金利政策が変更されるかも」(ヒソヒソ)
こういう噂が流れはじめると、相場の動きにも影響が出るわけです。
【オーストラリア】オーストラリア準備銀行(RBA)
- オーストラリア準備銀行のこと
- 構成:フィリップ・ロウ総裁、副総裁、財務次官に加え6名の理事の9名
- 注目イベント:金融政策決定会合(原則、毎月第一火曜日だが1月は開催なし)
- 政策金利:キャッシュターゲット
RBAの会合も当日以上に2週間後に発表される議事録への注目が高まります。
政策金利の決定に関しては、RBAの発表よりもエコノミストやRBAウォッチャーのコメントが重視され、これらの材料も市場に織り込まれています。
また、RBAの金融政策決定会合は年初の1月に開催しないため、12月の会合から翌2月の会合までの丸2ヶ月間は空白期間となります。
この空白期間は思惑だけで相場が動くため、比較的売りやすい傾向にあります。
RBAは中国との関連が深い?
RBAの金融政策決定会合は自国についてだけでなく中国についての見解も重要になります。



オーストラリアと中国になんの関係が?
オーストラリアの経済環境は中国の経済の上で成り立っているといっても過言ではありません。中国の経済指標の良し悪しで豪ドルの動きが大きくなったりするのです。
【カナダ】カナダ銀行(BOC)
- カナダの中央銀行構成:スティーブン・ボロス総裁(任期7年)
- 注目イベント:金融政策決定会合(年8回開催)
- 政策金利:翌日物金利誘導目標
金融政策決定会合後の公表会見に注目されます。
アメリカに隣接していることから、カナダの景気にとってアメリカの経済の動向は切っても切り離せません。
【日本】日本銀行(BOJ)
- 日本の銀行(日銀と略して呼ばれることが多い)
- 構成:黒田東彦総裁、2人の副総裁、6人の審議委員、3人以内の監事、6人以内の理事、若干名の参与
- 注目イベント:金融政策決定会合(年8回開催)
- 政策金利:無担保コール翌日物
日銀は紙幣を発行数する日本に中央銀行です。(硬貨の発行は財務省が行います)
政府の管理下に置かれているわけではなく、あくまで独立した存在です。(認可法人と呼ばれるもので、政府と民間の間に位置していることをいいます)
決定会合後に日銀総裁の記者会見が行われ、1週間後に主な意見が公表されます。
また、1月・4月・7月・10月の年4回公表される経済・物価情勢の展望では金融政策に対する考え方がわかります。
金融政策決定会合を読み取る4つのポイント





金融政策決定会合はビッグイベント!投資をする際に以下の4つのポイントは要チェックです。
- 金融政策の転換が予想されるとき
- 指針となる指標をおさえる
- 決定にいたる過程を確認
- 後日発表される議事録を確認
これら①〜④を解説していきます。
①金融政策の転換が予想されるとき
金融政策発表前は思惑や噂で相場が上下しやすくなります。
発表後は事前予想を踏まえた結果や今後の方向性についてどのようなことが話されたかということも重要です。
基本的には・・・
- 将来の方向性がポジティブ → 買い
- 将来の方向性がネガティブ → 売り
発表直後はトレンドの逆に反発することが多いため取引には注意が必要です!



発表後の30分以上は相場の様子を見ておくことをオススメします。
②指針となる指標を抑える
景気先行指数や中銀が指針として発表している指標の結果は会合での結果を予想する上で大きな材料となります。
事前予想だけでなく、先行指標や参考指標は確認しておきましょう!
③決定に至る過程を確認
決定・発表されたことがらはどのように決まったかも確認しておきましょう。
例えば・・
- 満場一致で決定?
- 反対者はいた?
- 僅差で決定したのか?僅差で見送られた? など。
こういったことは次回の決定にまで影響を及ぼすともいわれています。
このときの会合参加者がどのように主張したのかも大切です!
④後日発表される議事録を確認
会合当日の発表以上に金融政策決定会合の公表内容(議事録)が未来の金融政策を占う上で重要なポイントになります。



発表後に市場が反応することもあるので注意しましょう。
中央銀行の政策金利発表後は市場が大きく動く可能性大!要人発言も注目!|まとめ


ここまで説明してきたとおり、金融政策は市場が大きく変動することがあります。
為替で取引する際にはこれらのニュースをしっかりと把握しておくことが大切です。
とくに米国のFRB議長の発言は影響力が大きいです。世界の金融市場とも繋がりのある米国の中央銀行の政策金利は他人事ではありません。
FXで取引をする際に政策金利を理解することは重要であり、トレードをする上でもとても役に立ちます。



理解できないところは何回も読んで復習しましょう!



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