この記事では
- 日経平均?TOPIX?ってよく聞くけど、意味がわからない・・・。
- 為替にどう影響するの?
「日経平均が大幅下落」「株式下落」などニュースで騒がれていますが、いまいちピンときていない方も多いはず。
2020年は新型肺炎による影響で世界的に騒がれて、世界経済にも大きな被害が出ました。
日経平均株価(以下、日経平均)は経済ニュースやテレビ、新聞などで必ず報道されるほど有名な指標です。
TOPIXも多くの投資家が注目している重要な指標です。
というわけで、今回は「日経平均やTOPIXがなぜ為替に影響するのか」についての解説をしていきたいと思います。
「そもそも株ってなに??」って人は下の記事で株の基礎について解説しています。

日経平均、TOPIXと為替の連動性
[chat face=”woman1.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]日経平均?TOPIX?ってよく聞くけど、意味がわからない・・・。為替にどう影響するの?[/chat]
では、日経平均やTOPIXがなぜ為替に影響するのか解説していきます。
簡単にいうと・・・
為替が円安に向けば日経平均は上がる、為替が円高に向けば、日経平均は下がる。
逆に、日経平均が上がると為替は円安、日経平均が下がると為替も円高になる。
なぜかというと、円安になっていけば日本の株は割安になって株が買われやすくなり、日経平均が上がる傾向にあり、逆に円高であれば日本の株は割高になるため買われなくなり、日経平均が下がるということです。
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]常にこのような動きになるとは限らないので注意してくださいね。[/chat]
また、日経平均はずっと上がり続けることも、下がり続けることもありません。なぜなら、政治や経済的な理由で、株価が下がったり、ある程度まで下降するとまた上昇します。
期間の長短はありますが、基本的には上がったり、下がったりを繰り返します。
[chat face=”woman1.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]株価が上がれば、為替は円安に・・・そもそもなんで株価が為替に影響するんですか?[/chat]
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]それは株価指数の特徴について理解する必要があります。[/chat]
国内株式市場の代表的な株価指数は2種類
[chat face=”pig2.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]国内株式の代表的な株価指数は2種類あるんです。[/chat]
- 日経平均株価
- TOPIX(東証株価指数)
[chat face=”woman1.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]そもそも「株価指数」って何ですか?[/chat]
[box04 title=”株価指数”]取引所全体の特定の株価の値動きを表す指数のこと。[/box04]
では、①日経平均②TOPIXの2つについて解説していきます。
①日経平均株価とは「225銘柄の上場株式平均株価」のこと
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]新聞やニュースで必ず報道される重要な経済指標のひとつです!しっかり覚えましょう![/chat]
[box04 title=”日経平均株価”]日経平均と言われることが多い。日本経済新聞社が東証一部に上場している企業(2000銘柄)から独自の基準で選んだ225銘柄の上場株式の平均株価のこと。日本経済全体の景気や企業の収益性を表す指標。株価を表すために「円」を使用。[/box04]
日本でも敗戦後に東証(東京証券取引所)が再開し、「ニューヨーク式の指数を」ということになり、「東京ダウ」を発表しました。
その後、東証株価指数(TOPIX)の発表開始に伴い、「日経平均」として日経新聞社から発表されることになりました。
当初の日経平均株価は、225銘柄を単純に足して割っていましたが、225銘柄の入れ替えや株式分散などにより、現在はそんな単純な算出方法ではなくなっています。
- 日経平均が下がる = 225銘柄の株価が下がっている
- 日経平均が上がる = 225銘柄の株価が上がっている
②TOPIX(東証株価指数)とは「東証一部上場株式の東証独自の指数」のこと
[box04 title=”TOPIX(東証株価指数)”]東証一部上場株式の全銘柄の時価総額(企業の価値を示す指標)を反映させた東証独自の指数のこと。2020年3月は1200〜1300前後。単位は「ポイント」を使用。[/box04]
基準日である1968年1月4日の時価総額を100ポイントに定めて、構成銘柄の時価総額を指数化していると言われています。
日経平均ほどの知名度はありませんが、日経平均の対象が225銘柄なのに対し、東証1部全銘柄が対象なので、より株式市場全体の値動きを表しているために金融や経済の専門家は日経平均よりTOPIXを主に使用しているとも言われています。
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]TOPIXには7種類の区分があり、それを「TOPIXインデックスシリーズ」と言います。特に「TOPIX Core30」が重要視されています。[/chat]
日経平均とTOPIXの特徴
ここからは日経平均とTOPIXが為替に影響する要因について、それぞれの特徴から解説していきます。
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この特徴を理解すればなぜ株価指数が為替に影響するのか理解できるはずです。[/chat]
日経平均の4つの特徴
日経平均の特徴は大きく3つあります。
- 「値がさ株」の影響が大きい
- ITやハイテク株(電気・情報・通信など)の比率が高い
- 日経平均先物が現物株の与える影響が大きい
- 225銘柄は定期的に入れ替えられている
①「値がさ株」の影響が大きい
日経平均は発行済み株式数にを考慮しない株価の単純平均に近い指数であるため。株価が高い銘柄である「値がさ株」の動きに大きく影響されます。上位銘柄は以下の通りです。
1位 ファーストリテイリング(ユニクロ)
2位 ソフトバンク
3位 ファナック
いずれも1万円を超えており、この3銘柄で17.8%のウエイトを占めているので、日経平均の値動きに大きな影響を与えるとされています。
〜日経平均は3社の株価で大きく動く問題〜
上記で説明した日経採用銘柄のうち、ファーストリテイリング・ソフトバンク・ファナックといった3社だけで日経平均の構成比率が20%弱に達しています。つまり、これらの急成長した企業の株が上がると、日経平均の数値全体が簡単に動かせてしまうと言えます。
- 本来 → 225銘柄の平均株価
- 実際 → 225銘柄のうち3社の株価が大きく影響を与えている
株価が上がっても、日経平均を上げることのできない企業もあるというわけです。
② ITやハイテク株(電気・情報・通信など)の比率が高い
最もウエイトが高いセクターが技術(医療品・電気機器・自動車・通信・機密機器)、次に消費(水産・食品・小売業・サービス)となっています。他には金融、素材、資本財、運輸・公共があります。
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]セクターとは、主に株式相場や株式市場を分析するときに区分されるグループのことをいいます。[/chat]
③ 日経平均先物取引が現物取引に与える影響が大きい
[box04 title=”日経平均先物取引”]日経平均先物、日経225先物、日経225先物取引ともいう。日経平均株価の上下を予測する先物取引のこと。[/box04]
[chat face=”woman1.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]「先物取引」って何ですか?[/chat]
[box04 title=”先物取引”]あらかじめ決められた「商品」を決められた「期日(満期日)」に決められた「価格」で取引すること。まだ決まってない未来の株を取引すること。[/box04]
日経平均先物は現物株より流動性(出来高)が高く、大きな資金を運用する機関投資家でも希望した値段での売買がしやすいという利点があります。
日本株全体に影響が出るような好材料が出ると、先物がまず買われて、悪材料が出ると先物が真っ先に売られます。
④ 225銘柄は定期的に入れ替えられている
日経平均を構成する225銘柄は定期的(毎年10月)に入れ替えが行われています。
なぜかというと、日経平均は日本を代表する225銘柄の株価を表す指標だからです。
代表するにふさわしい銘柄を入れて、業績不振などが見られた銘柄は除外されているわけです。
他には、倒産してしまったり、上場廃止となった時も変更されることがあります。
[box01 title=”日経平均銘柄に採用されると株価が上がる”]日経平均銘柄を購入して運用しているファンド(投資信託)が多い → 自動的に採用銘柄が買われる → 株価が上がりやする[/box01]
[box02 title=”日経平均銘柄に除外されると株価が下がる”]日経平均銘柄を購入して運用するファンドが少なくなる → 自動的に採用銘柄が売られる → 株価が下がりやすくなる[/box02]
〜成長した企業を入れて、株価が落ちた企業を外す問題〜
上記で225銘柄は会社の倒産や成長企業の登場により入れ替えがあると説明しましたね。実はこれ自体にも問題があります。
倒産企業や株価が下がった企業を外し、成長企業や株価が上がった企業を入れることによって、株価が下がったときに日経から外し、株価が上がった企業を入れるということになってしまうのです。
これでは日経平均株価が数値として上昇しにくくなってしまいますよね。実際にバブル絶頂期の1989年の38957円を付けて以降、30年近くも上回ることができていません。
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]2020年にはコロナによって、16000円台まで下落してしまいました・・[/chat]
TOPIXの5つの特徴
- 金融・経済の専門家が注目
- 直感的に東京市場の動きがわかる
- 日経平均が上がるとTOPIXも上昇する
- 金融関連株が上がると、大きく上昇しやすい
- TOPIXの数値そのものが投資信託として投資対象
では、それぞれ解説していきます。
① 金融・経済の専門家が注目
[chat face=”woman1.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]なぜ、経済の専門家が日経平均よりTOPIXの方を主に使用しているんですか?[/chat]
日経平均は銘柄によって影響力に大きな差が生まれます。例えば、ファーストリテイリングは1社のみで日経平均の7%を占めています。ですので、このような上位銘柄が変動したときは影響力が強く、日経平均全体に影響を及ぼします。
一方でTOPIXは東証一部の全銘柄の時価総額を見ているので、人気の高い銘柄が動いても指数全体への影響が大きくありません。
② 直感的に東京市場の動きがわかる
上記のことから、日本株の全体を見たいときは日経平均よりもTOPIXを見るのがオススメです。
[chat face=”woman2.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]直感的に東京市場の動きがわかるというのは、TOPIXで株式市場の実態を正確に知ることができるからということなんですね![/chat]
③ 日経平均が上がるとTOPIXも上昇する
日経平均が上がるときは、TOPIXも上昇するのが普通です。日経平均とTOPIXの動きを比較した指数のことを「NT倍率」と言います(Nは日経平均株価、TはTOPIX)。
日経平均とTOPIXのどちらが注目されているのかを判断できます。以下の式で算出されます。
NT倍率 = 日経平均 ÷ TOPIX
④ 金融関連株が上がると、大きく上昇しやすい
225銘柄のみの日経平均に比べて、全銘柄の動きが反映されるTOPIXは、銀行株などを中心とした金融セクターの比重が高く、金融株が上がるとより大きく上昇する特徴があります。
⑤ TOPIXの数値そのものが投資信託として投資対象
日経平均やTOPIXはETF(上場投資信託)のスタイルでの投資が可能です。
[box04 title=”ETF”]Exchange Traded Fundの略で上場投資信託のこと。日銀が日本のデフレ脱却を目指すための金融緩和のひとつとして2013年4月より始まる。日経平均株価やTOPIX、NYダウなどの指数に連動するように運用されている投資信託の一種で、証券会社に口座を開けば株式のように手軽に売買できる。[/box04]
[chat face=”pig1.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ETFの魅力は、投資信託と株式投資の両方のメリットをあわせ持っていて、一般人でも気軽に売買できる、とても便利な金融商品なんですよ。[/chat]
「投資信託」と「ETF」はそれぞれ違います。
投資信託はいくつかの銘柄を組み合わせて作った金融商品で、販売会社が投資家から資金を集め、運用会社が投資家の代わりに運用します。
その投資信託を上場させたのがETFなのです。
まとめ:日経平均とTOPIXの特徴を覚えて、為替との連動性を理解しよう!
[box02 title=”まとめ”]・為替が円安に向けば日経平均、TOPIXは上がる
・為替が円高に向けば日経平均、TOPIXは下がる
・日経平均、TOPIXが上がると為替が円安になる
・日経平均、TOPIXが下がると為替は円高になる[/box02]
[chat face=”pig2.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]経済成長が続けば株価も上昇し、TOPIX、日経平均やNYダウなどは時間的には多少の遅れや先取りはあっても、トレンドとしては成長を反映します。逆もまたしかり・・・。[/chat]
[chat face=”woman5.jpg” name=”初心者さん” align=”left” border=”yellow” bg=”none” style=””]基本的には株価指数に連動して為替も動くんですね![/chat]
[chat face=”pig3.jpg” name=”ぶた博士” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]その通り!FXをやる際は通貨ペアだけでなく、株価指数をチェックすることも忘れずに![/chat]
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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